エアコン取り付けを自分でする方法|DIYの取り外し方と費用も紹介
エアコンを新しいものに交換するときは、慎重に取り外し・取り付けをおこないましょう。エアコンは作りが複雑であるため、DIYで設置をおこなうこと失敗してしまうことがあります。
失敗すると配管の破損やガス漏れなどのトラブルが起こったり、修繕に高額な費用がかかったりすることがあります。そのため、慎重に作業をすることが大切なのです。
当記事では、エアコンの取り付けを自分でおこなう方法や取り外し方法、DIYでの設置にかかる費用相場をご紹介します。失敗するリスクを下げるための注意点もあわせて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
古いエアコンを自分で取り外す方法
新しいエアコンの取り付けを自分でおこなうには、まず古いエアコンを取り外す必要があります。その際に以下の道具が必要になりますので準備しましょう。賃貸への引越しなどでエアコンがもともと取り外してある状態で、取り付けからおこなう場合は「エアコン取り付けを自分でする方法」からご覧ください。
【必要な道具】
- モンキーレンチ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ニッパー
- 六角レンチ
- 軍手
- カッター
- 脚立
上記の道具は最低限必要なものです。これらに加えて、ペンチ・ビニールテープ・ごみ袋・エアコンキャップがあると便利です。どれも100円ショップやホームセンターなどで購入することができます。道具の準備ができたら作業を始めましょう。エアコンの取り外し手順は以下のとおりです。
【エアコンの取り外し手順】
- エアコンの室外機のカバーを外す
プラスドライバーを使い、室外機の側面にあるネジを緩めてカバーを外します。このとき注意するのが、カバーを割らないようにすること・外したネジを捨てず残しておくことです。また、作業時の電源コードに触れないようにしましょう。
- バルブキャップを外す
バルブキャップを外すときはモンキーレンチを使用します。このキャップもネジと同じく捨てずに残しておいてください。
- ポンプダウンをおこなう
取り外し時に、エアコン内にある冷媒ガスが空気中に逃げないよう室外機に取り込むことを「ポンプダウン」といいます。このときに強制冷房をおこないますが、方法はエアコンのメーカーや製品によって異なるので、取り扱い説明書で確認しておきましょう。
- バルブを締めてポンプダウン完了させる
まず送り側のバルブ(細い方)を六角レンチで締めます。そのあと2~3分ほど強制冷房をおこない、終わったら今度は受け側のバルブ(太い方)を締めましょう。最後にキャップをモンキーレンチでしっかり締めたら、ポンプダウンは完了となります。
- コンセントを抜き、配管を外す
エアコンを止めてコンセントを抜き、ナットを外していきます。配管は細いものと太いものがあるので、細い配管のナットから外しましょう。その次は太い配管のナットです。作業をしているときに「プシュー」という音がするのは、ポンプダウンがしっかりできないときです。再度ポンプダウンをおこなってから、配管を外しましょう。
- エアコンの電源コードを切断する
エアコンの電源コードは、黒・赤・白の3本があります。コードを切断する前にコンセントから電源プラグが抜けているかをしっかり確認してください。確認後、黒いコード→白いコード→赤いコードの順番で切断します。
コードをまとめて切ると電源がショートするおそれがありますので、必ず1本ずつおこないましょう。また、先ほどの3本のほかに灰色のコードがあります。このコードを切るときは、付け根から10cm以上はなしてから切断します。
- 室外機を取り外す
電源コードを切断し終えたら、室外機を取り外します。室外機は地面に固定されているので、ドライバーを使ってボルトとナットを外していきます。この作業の注意点は、室外機に傷をつけないようにすることです。
- 室内機の配管の切断し室内機を取り外す
ほとんどのエアコン室内機は壁に取り付けられており、金具に吊り下げて固定されています。エアコンにプッシュマークがあるので、それを押しながら配管を下に出しましょう。そして、出てきた配管を1m以上残して切断します。
エアコンを取り外したら、取り付け金具をドライバーで外しましょう。外した取付金具は、捨てず保管しておいてください。最後にエアコンキャップで配管の穴をふさいだら、作業は完了です。
取り外しをするときの注意点
エアコンの取り外しは、自分で作業をおこなうことができます。しかし、取り外すことに不安がある方は失敗するおそれがありますので、あまりおすすめしません。どのような失敗があるのか、事例をみっつご紹介します。
【失敗事例】
- 補助配管を潰してしまった
「補助配管」とは、エアコンの内部ある熱交換器から伸びている長さ50cmほどの配管のことです。補助配管は硬くなっていることが多いですが、無理に動かした場合に根元からつぶれてしまいます。
また、いらないものと思って切断してしまったということもあるようです。この補助配管がつぶれたり、切断したりするとエアコンの取り付けの際に使えなくなります。
- 冷媒ガスの回収(ポンプダウン)に失敗してしまった
エアコンを取り外す際におこなう冷媒ガスの回収に失敗する原因として、バルブがしっかり締まっていない、ガスが抜け切る前に冷房運転を停止・バルブを締めてしまったことが挙げられます。失敗してしまうと、新しくガスを充填するために業者へ依頼しなければいけなくなるので注意してください。
これらの失敗事例のほかに、「室外機や室内機から配管が外れない」・「エアコンドレンホース(排水ホース)を切断してしまったといった」ものもあります。このような失敗をしないためには、焦らず慎重におこなうことが大切です。
失敗事例をみて、自分でエアコンの取り外しができるか心配だという方は業者へ頼みましょう。業者に依頼する際には、ぜひ弊社までご連絡ください。エアコンの取り外し・取り付けを丁寧かつ迅速におこなう業者を弊社加盟店からご紹介させていただきます。
エアコン取り付けを自分でする方法
古いエアコンが取り外せたら、今度は新しいエアコンの取り付けです。ここでは、エアコンを取り付けるときに必要な道具と作業手順をご紹介します。まずは必要な道具です。取り付け時に使う道具は、レンタルすることで購入費を抑えることができる場合があります。
【レンタルするとよい道具】
- 電気ドリル
- コアドリル
- トルクレンチ
- エアコンダクトカッター
- 真空ポンプ
- 真空ゲージ(またはゲージマニホールド)
- フレアツールかガス溶接機
- リーマー
- バイブカッター
上記以外の道具は購入したほうがよいでしょう。
【購入する・購入したほうがいい道具】
- ドライバー
- モンキーレンチ
- 六角レンチ
- スパナ(両口)
- ペンチ
- ニッパー
- パイプベンダー
- ガス漏れ検知器
- 配管パイプ
- 配管テープ
- 配管用シールパテ
- 化粧カバー
- 据置板
- ドレンホース
- ボードアンカー
- VVFケーブル
- 水準計
これらの道具が準備できたら、エアコンの取り付け作業を開始します。取り付けの手順は以下のとおりです。
【取り付け手順】
- エアコンの設置場所を決め、壁に据置板をネジとドライバーで固定する
エアコンを設置する場所を決めたら、配管パイプ用の穴を開けましょう。そのあと、ネジを使い据付板(エアコンの室内機を取り付ける板)を壁に固定していきます。配管パイプ用の穴は、エアコンで隠しても隠さなくてもどちらでも構いません。
- 室内機本体を取り付ける
据付板の固定が終わったら、室内機本体を取り付けていきます。まず配管と電線、ドレンを先ほど開けた配管用の穴に通し、室内機を固定した据付板に引っ掛けます。室内機の上部と下部が壁にピッタリついていれば、室内機本体の取り付けは終わりです。
最終確認として、室内機が傾いていないか、エアコンを手前に引いても据付板が抜けないか、しっかりチェックしましょう。
- 室外機を設置する
室外機を設置する手順は、パイプカッターを使い配管パイプを加工→室内機から出ている補助配管に設置→配管のルートを決めて化粧テープで仕上げる→室外機に配管を接続するとなっています。
配管パイプと補助配管を接続するときは、専用のトルクレンチがおすすめです。このときに正しく接続されていないとガス漏れしてエアコンが効かなくなるので注意しましょう。
- 真空ポンプで真空引きをおこなう
室内から伸ばした配管と室外機のなかを乾燥させるために、真空引き(エアパージ)をおこないます。手順は、室外機にあるサービスポートという部分にコントロールバルブ、チャージホース・真空ゲージまたはゲージマニホールドを取り付けます。次に、つまみを回し真空ポンプの電源を入れましょう。これで、真空引きが始まります。
規定圧(-0.1MPa)であることを確認して、真空ポンプを停止させて数分おいておきましょう。数分後、真空ゲージのゲージ値でガス漏れをチェックします。変動がなければ作業完了です。
- 室外機の点検をおこない、配管の穴をパテで埋める
室外機の配管接続部分(高圧側と低圧側)に六角レンチを差し込んで、反時計回りで弁を開き、冷媒ガスを開放します。ガスを開放したら、室外機の点検をおこない、配管の穴をパテで埋めて作業は完了です。
以上が取り付け作業となります。
取り付けをするときの注意点
取り外しと同じで、取り付けのときも失敗するおそれはあります。エアコンの取り付けでの失敗には、以下のような事例があります。
【失敗事例】
- 真空引きができたと思ったらうまくできていなかった
配管内を真空状態にすることを真空引きといいます。これがしっかりできていないと、エアコンがうまく動かず、故障の原因にもなります。
- バルブの締め具合が原因で冷媒ガス漏れしてしまった
冷媒ガスは部屋を涼しくするという、とても大切な役割をしているものです。そのためガス漏れを起こすと、エアコンを動かしても部屋はなかなか涼しくなりません。バルブは緩くてもきつすぎてもガス漏れを起こしてしまうので、慎重に締める必要があります。
このふたつ以外にも、「冷媒配管を折ってしまう」という失敗もあります。自分でエアコンを取り付ける作業をするのは、難しいと感じる方もいらっしゃることでしょう。そのようなときは、業者へ相談しましょう。
弊社では、エアコンの取り付けでお困りになられたお客様からのご相談も親身になってお聞きいたします。ご相談後、業者への依頼をご希望されたら全国にある弊社の加盟店のなかから、お近くの業者をご紹介させていただきます。
エアコンをDIYで設置する費用相場は?
エアコンの取り外し・取り付けは自分でおこなうことができることがわかると、気になるのはDIYでかかる費用です。また、DIYで取り外し・取り付けをおこなうことのメリット・デメリットも気になるかと思います。
ここでは、DIYにかかる費用相場とDIYのメリット・デメリットについてお話していきます。まずは費用相場からです。
- DIYでかかる費用相場
自分でエアコンの取り外し・取り付けをおこなう場合、費用のほとんどが工具の購入費やレンタル料です。工具の購入費とレンタル料を合わせた費用相場は、およそ6,000円~1万5千円になります。
- DIYのメリット・デメリット
エアコンをDIYで設置するメリットとして、必要な工具や部材の料金だけで済むことがあげられます。また、エアコン移設工事の日程調整や他人を家のなかに入れるといったことがないのも、DIYのメリットです。
一方で、エアコンの取り外し・取り付けの経験がなく知識もあまりないため失敗し、エアコン本体を壊してしまうおそれがあることがデメリットです。エアコンをDIYで設置するときはメリットだけではなくデメリットも考え、その結果、「自分で作業するのは無理かも」と思ったときは業者へ相談することをおすすめします。
業者に工事を任せるほうが安くなることも……
エアコンの取り外し・取り付けはDIYでおこなうよりも業者に任せると安くなることもあります。問題なくエアコンを取り外したり、取り付けたりできれば、DIYのほうが安いです。
しかし、作業中に必要な配管を根元から潰してしまったり、バルブがうまく締められず冷媒ガスが漏れてしまったりなどの失敗が発生するおそれがあります。最悪の場合、エアコンの買い直しをすることになり、余分に費用がかかってしまいます。そうなると、業者に任せたときの料金のほうが安く済むのです。
もし自分でエアコンの取り外し・取り付けを検討している方は、一度業者へ相談しましょう。弊社にご相談いただければ、コールスタッフが親身にお聞きいたします。お気軽にお問い合わせください。
電気工事関連記事
- エアコンのドレンホースは定期交換部品!自分で交換する方法も解説!
- トイレの換気扇交換│換気扇の種類や機能・DIY・費用を抑えるコツ
- コンセントの交換には資格が必要!業者の費用とDIYでできる対処法
- BS/CSアンテナとは?見られる番組やアンテナの設置方法について
- 天井コンセントの設置|照明器具・作業用配線がほしい際に必要な工事
- 100Vから200Vへのコンセント変更工事の費用|DIYは危険!
- テレビ視聴にアンテナコンセントはいらない!端子増設せずに見る方法
- エアコン専用コンセントは不要?必要?増設工事する場合は業者に依頼
- 【窓用エアコン取り付け業者】設置方法~新品・中古工事費用・探し方
- リフォーム工事で気になるコンセントの増設費用相場はどれくらい?