【種類別】スイッチ配線方法のキホン|交換手順や作業のコツまで
スイッチの配線方法自体は、それほど難しいものではありません。しかし、その方法はスイッチの種類や数に応じてちがいがあります。油断すると思わぬ事故につながってしまうおそれもあるので、基本的な回路やポイントをしっかりおさえておくことは非常に大切です。
このコラムではスイッチ配線の基礎(配線の色やつなぎ方)から、交換などの手順までくわしく解説していきます。
※スイッチの配線作業は、電気工事士資格が必須です。スイッチの交換や増設をしたいけど資格がない、という方は、業者に依頼して施工してもらいましょう。弊社の無料電話窓口では、すぐにお近くの業者をご紹介いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
目次
種類別・スイッチの配線方法【片切り・3路・4路】
スイッチの配線はどんなスイッチをどれだけ使うか・どうつなぐかによって大きく変わります。まずは配線図・複線図を書いてみて、イメージを付けてから配線すると安心です。
スイッチは大きく分けて『片切りスイッチ』・『3路スイッチ』・『4路スイッチ』の3種類。それぞれ配線図や複線図も異なるので、しっかり把握しておきましょう。
片切りスイッチの配線方法
1つの照明に対して1つのスイッチ、これが片切りスイッチです。これは主に、そのスイッチのみで照明をON・OFFするときなどに使います。
片切りはもちろん、後述する3路や4路スイッチにも共通していえることですが、スイッチの配線を考える際にはまず”複線図”を書いてみることが大切です。第二種電気工事士をお持ちの方であればご存知かもしれませんが、一度改めて、おさらいしてみましょう。
例:『照明器具』・『スイッチ(片切り)』が1個ずつの場合
- 『電源』・『照明器具』・『スイッチ(片切り)』をそれぞれ書く
- 『スイッチ(片切り)』以外を、W(白)の線で結ぶ
- 『電源』から『スイッチ(片切り)』の片方にB(黒)の線を入れる
- 『スイッチ(片切り)』のもう片方から白線、『照明器具』から黒線を出し、つなげる
結線は実際に配線する際に、線と線を圧着などして接続する部分のことです。複線図を書く際には、忘れずに記載しておきましょう。
なおこの条件の場合、赤線などは必要ないので2芯のケーブルのみで大丈夫です。このように複線図を書いてみると、どこをどうつなげばよいか、どんな線を使えばよいかがわかりやすくなりますよ。
3路スイッチの配線方法
3路スイッチは、2個のスイッチで1個の照明をON・OFFするときなどによく利用されます。階段の電気を1階のスイッチと2階のスイッチで操作する、という例がわかりやすいでしょう。
この3路スイッチは赤線なども絡んでくるため、3芯のケーブルも必要となります。その分、複線図も片切りよりも少々複雑です。
例:『照明器具』が1個の場合
- 『電源』・『照明器具』・『スイッチ(3路)』2個を書く
- 『スイッチ(3路)』2個以外を白線で結ぶ
- 『電源』と1個目の『スイッチ(3路)』の0から黒線を出し、結ぶ
- 『照明器具』と2個目の『スイッチ(3路)』の0から黒線を出し、結ぶ
- 『スイッチ(3路)』それぞれの1から白線を出して、間を黒線で結ぶ
- 『スイッチ(3路)』それぞれの3から赤線を出し、赤線で結ぶ
ただし電源につながる線以外、つまり『3路スイッチ同士をつなぐ配線』には色の指定がありません。これは、簡単にいえば『3路スイッチの1から出す色は白→赤でもいい』ということです。
とはいえ、これはある程度自分の中でパターン化して複線図を書くとわかりやすいです。赤は赤で結ぶ、などなど、やり方を決めておけば作業もスムーズになるでしょう。
4路スイッチの配線方法
1つの照明を2個のスイッチで、というのは3路スイッチの役割でしたが、『3個以上のスイッチで操作したい』ときはこの4路スイッチが役立ちます。4路スイッチの配線図や複線図は、3路スイッチのしくみがわかっていれば、それを応用するだけです。
簡潔にいえば、2個の3路スイッチをつないでいる連絡電線の間に4路スイッチを追加して、3つの場所でONOFFを選択できる回路を作る、というイメージ。とはいえその分、配色は少々複雑になるので注意しておきましょう。
例:『照明器具』・『スイッチ(4路)』が1個ずつの場合
- 『電源』・『照明器具』・『スイッチ(3路)』2個・『スイッチ(4路)』を1個書く
- スイッチ以外を白線で結ぶ
- 『電源』と1個目の『スイッチ(3路)』の0から黒線を出し、結ぶ
- 『照明器具』と2個目の『スイッチ(3路)』の0から黒線を出し、結ぶ (ここまでは3路スイッチの複線図とほぼ同じ)
- 1個目の『スイッチ(3路)』の1から赤線・『スイッチ(4路)』の2から黒線を出し、赤線で結ぶ
- 1個目の『スイッチ(3路)』の3・『スイッチ(4路)』の4からそれぞれ白線を出し、黒線で結ぶ
- 2個目の『スイッチ(3路)』の1から赤線・『スイッチ(4路)』の1から黒線を出して結ぶ
- 2個目の『スイッチ(3路)』の3・『スイッチ(4路)』の3からそれぞれ白線を出して、そのまま結ぶ
こちらも同様に、電源以外の3路・4路を結ぶ線に色の指定はありません。そこは余った配色で配線して大丈夫ですが、この場合もどの色でつなぐかは決めておいたほうがよいでしょう。
例外:コンセントの配線方法
コンセントはいわば電源の延長のようなものなので、配線図・複線図はスイッチなどよりも単純です。
カンタンにいえば、『電源からコンセントに黒・白線を入れるだけ』。これはコンセントの数が増えてもただ分岐させれば大丈夫です。スイッチ配線と組み合わせる場合も、電源から出た黒白の配線から分岐させるだけなのでそこまで難しくはないでしょう。
ただし接地極付接地端子付コンセント(EET)の場合は、緑の設置線を引くことを忘れないよう、注意してくださいね。
スイッチの交換方法とコツ|”色”と”ブレーカー”に注意!
ここまではスイッチの配線について解説してきましたが、実際に作業するのは意外と難しいもの。とはいえ、スイッチ部分を交換するだけであればその方法は意外とカンタンです。
資格をお持ちの方は、今の状況とも照らし合わせて一度試してみましょう。
スイッチ交換の手順
スイッチ交換の手順は以下のとおりです。併記する必要なものと合わせて、ぜひ参考にしてください。
- 新品のスイッチ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ケーブルストリッパー
- ブレーカーを忘れずに落とす
- スイッチの化粧カバーをドライバーで外す
- 取付枠をドライバーで外す
- スイッチから配線を外して、取付枠からも外す
- 配線を抜く ※スイッチには差込穴近くに『取り外し用の穴』があるので、そこにマイナスドライバーをまっすぐ差し込んで外す
- 新しいスイッチを取付枠にはめ込む
- 元の配線・配色に注意しながら、配線していく ※必要に応じて被覆をむく
- 取付枠・化粧カバーを戻して完成
被覆をむく際には、スイッチ背面についていることの多いゲージが役に立ちます。あまりにむきすぎると事故の原因にもなるので、注意しておきましょう。
なお、電気工事の注意点はまだまだあります。
注意点1.配線の色は間違い厳禁!しっかり確認しよう
基本的な配線の色の意味をおさらいすると、以下のようになります。
・白=接地側(グランド)
・緑=アース
とはいえ、前述したように3路や4路スイッチの場合は明確にルールが決まっていません。また、配線当時の現場判断で、通常とは取り回しが少々異なることもあります。
これを間違えると、スイッチを入れても電気はつきません。交換時には、どの線がどう配線されていたか、しっかり確認するようにしましょう。
注意点2.活線作業は危険!ブレーカーは必ず落とそう
「簡単な交換だしブレーカーは落とさなくても……」そう思っても、ブレーカーはしっかり落としておきましょう。通電しながらの作業、いわゆる活線作業は、最悪の場合感電してしまう危険性があります。電気工事に油断は禁物。ひとつのミスが大きな事故につながることを意識して、慎重に作業を進めましょう。
少し難しそうだな、と感じた方は、業者に依頼するという手もあります。たとえ資格は持っていても、実際の実務経験がなければ作業にはやはり不安も残るものです。交換ぐらいであればそこまで費用はかからないので、一度相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?
くわしい費用・金額の相場に関しては、下記にて解説しています。ぜひ参考にしてください。
スイッチの増設・移設・新規設置はプロに任せよう
スイッチ部分を交換するだけであればそれほど難易度も高くないですが、増設や移設、新規設置の場合はプロに任せることをオススメします。なぜなら、これにはかなりの手間がかかるからです。
基本的には配線ルートを考えて、配線図・複線図を考えて、そのとおりに配線して……という普段通りの流れです。しかし、違う場所にスイッチを設置する場合は+α、壁内の配線工事なども追加でやらなければいけないことも……。また工事費も考えると、そこまでお得にはなりません。
業者依頼のメリットは、やはり見ているだけでサッとスイッチ工事を完了してもらえるところです。カンタンな作業であれば30分ほどで終わるでしょう。また、感電事故の心配がない、というのもうれしいところです。
とはいえ気になるのは、やはり費用ですよね。下記では、実際の工事の費用相場を解説します。
スイッチ関連工事の費用相場
スイッチの配線関係の費用相場は、以下のようになります。
・スイッチの増設:約8,000円~1万2千円
※1個当たり・スイッチの種類や設置場所に応じて変動
ただしこの料金は、あくまで相場です。何個付けるか、どこに付けるか、配線の長さはどれぐらいか……。難易度の高い移設や新規設置ともなると、1万円~2万円、またはそれ以上の金額になることもあります。
実際の費用は、希望の条件や現場の状況を見てみないとどうしてもわからないことが多いです。まずは一度、調査を依頼して“見積り”を出してもらいましょう。まずは料金を確認してから依頼、という流れであれば、安心ですね。
「まずは見積りを見たい!」
「すぐに工事を依頼したい!」
そんなスイッチの配線工事でお悩みの方は、ぜひ弊社の無料相談ダイヤルにご相談ください。24時間・365日受付対応で日本全国の提携業者からピッタリのプロを選定。最短10分で現場に駆け付けます!
提携業者は作業前に必ず詳細なお見積りをお出ししますので、ご安心ください。見積り後に確認なく料金を追加することはありませんし、料金を確認した後でもキャンセルOKです!
スイッチ関係のことならお気軽に、どんなことでもご相談ください!
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